大丈夫を明日につなげる

入院

 いつ終わるかわからない長い診察の翌日、私は入院した。

 私の顔を見た看護師さんからは「かなり黄色いですね」という言葉が。

 まったく気づかなかった。毎日、顔も体も見ているのに。言われて、鏡を見ると、確かに黄色い。でも、黄色人種だし、気づきにくいよね。夫からも、同僚からも黄色いなんて言われなかったし。ということは、みんな、人の顔なんてたいして見ていないってことなのよね。

 

 次の日、内視鏡的逆行性膵胆管造影(ERCP)という検査&治療を行った。十二指腸まで内視鏡を入れて、X線撮影を行うとともに、黄疸解決のためのステントを胆管に入れるのだ。

 これが、本当に苦しい検査だった。私の検査人生の中でトップ3に入る。(あとで、別のお医者さんに話したところ、あれは一番苦しいと思うって)

 次回この検査をするときにはぜったいに全身麻酔でやってもらいたいと、あとで主治医の先生に会ったときに激しく訴えた。

(実際には、全身麻酔で検査はしないらしい)

 

 ERCPは合併症のリスクもあるので、血液検査をしたりして経過観察しながら、抗生物質の点滴が続く。絶食だし。状態が良ければ、重湯から始まってだんだんと普通食になる。

 こうして黄疸が改善するのを待ちながら、入院生活は静かに過ぎていった。

 黄疸がある、がんである可能性、あたりまえだけど、ついネットで検索しちゃう。でもネットって、無責任な話、その人に特化した話、よくわからい希望を持たせる話であふれてるのね。それから考えたくない現実をつきつけられる話。心も頭も疲れ、Netflixに逃げ込む日々に戻る。

 

 検査から五日目。

 夜、主治医の先生が来て、ほぼすい臓がんだろうと言われる。こういうことって、ベットサイドで言うことなのかなあ。ちょっとずつ言われると、免疫がつくから?

 手術できるかどうか、外科の先生に相談中。

 

検査から10日目ー衝撃的な話ー

 最終的な検査結果、治療方針について、主治医の先生から家族への説明がある。

 

 やはりすい臓がん。血管に絡んでいて手術は難しい。現時点では転移はない。局所限定進行がんというものらしい。とりあえず、すぐに抗がん剤治療をという話をされる。

 私は、病室で少しずつ心の準備をしていた。でも、家族はここまでの重い話であるとは想像もできず(私もだけど)、その衝撃はいかばかりなものか。

 

 主治医の先生からセカンドオピニオンの話があり、国立がん研究センターに行ってみることにして、家族は帰っていった。

 どんな夜を過ごすのか、気に掛かる。