初めての抗がん剤、どきどき

 2度目の入院をした。

 抗がん剤を始めるためだ。

 体力もあり、体の状態がいいので、国立がんセンターの先生も薦めていた、一番効果のある標準治療の2種類の抗がん剤からはじめることになった。

 

 薬剤師さんが来て、がん専門の看護師さんが来て説明をしていく。「気持ちが悪くなる」というのが抗がん剤の副作用のメジャーな認識だが、話を聞くといろんな副作用がある。薬によっても違うし、人によっても違う。出てくる時期も様々で、体力があると違うというものでもないらしい。看護師さんはカレンダーを指さしながら、この日あたりから脱毛が始まりますと予言した。その姿は、魔女か占い師のように見えた。

 

 最初に制吐剤の点滴から始める。今までの入院の時にも点滴は何度もしたが、そのときとは看護師さんの緊張度が全く違う。ゴーグルや手袋、エプロンまでして物々しい雰囲気。あとで聞いたところによると、抗がん剤は強い薬で皮膚につくと細胞を破壊?するのだとか。そんな強い薬を体の中に入れるなんて・・こわい。

 2種類の抗がん剤を30分くらいで入れていく。緊張の度合いとはうらはらに、点滴そのものはあっという間に終わり、体調にも変化はない。噂に聞いてびびっていた気持ち悪さも全くなく、制吐剤の進化はすごいと思う。

 

 数日様子を見て、大丈夫なら退院できるのかと思っていたら、主治医の先生が、来週もう一回打って、帰りましょう、ニッコリ、としたせいで来週まで入院になる。

 体調に変化はなく、治療もないので、なんにもすることがない。今回は図書館にまで行って、本を借りてきたので本を読みまくる。最近、Netflixばかり見ていたので、こんなに本を読むのも久しぶりだ。

 

 斎藤一人さんの本を読む。明るい気持ちになる。一人さんの教え。

 「まぁ、いいか」「どうでもいい、どっちでもいい、どうせうまくいくから」

「なんとかなる」「波動の法則→明るくて楽しい波動は強運を呼ぶ」「引き寄せの法則」「みんな深刻に受け止めすぎ。もっとシンプルにまあ、いいかって受け止める」

 

 2度目の抗がん剤も、目立った副作用もなく過ぎたので約10日で退院になる。

世の中は、どんどん暑くなっている。私は、病気で危険だけど、元気な人もすぐ身近に大きな危険があるように思う。