病室の窓から、流れる雲を眺めてー入院中の思いー

告知から退院まで

 主治医の先生から家族への説明のあと、病室に戻ると夕食が来ていた。

 あたりまえだけど、食べられないよね。

 

 看護師さんが何度も様子を見に来る。

 朝も、大丈夫でしたか?、眠れましたか?と聞く。なんて、無意味な質問。大丈夫なわけないし、気持ちよく眠れる訳もない。いったい、どういう答えを期待しているのだろう。

 大丈夫です、と答えれば「強いですね」と言われる。じゃ、あなただったらどうするの?つらいです、と言えば、そうですよね、あなたは一人じゃないですよ、何でも言ってくださいっていってくれる。

 でも、何でもいわれても困らない?それに話せるようになるためには、自分の中で消化しないと。

 

心を修復中

 翌日から、看護師さんは、私の心を探るように接してきてくれるようになる。打ちのめされていいないか、落ち込んでいないか、いつでも、何でも言ってくださいというように。

 けれども、私は怒濤の展開に全く心はついて行かず、どこか人ごとのように、自分のことを眺めている日々が続いた。

 これは、わたしにとってはよかったのかもしれない。なんだかわからないまま衝撃的な事実がやってきて、自分のことではないような気がしながら、事実が心の中にしみこんでいくような感じ。取り乱したり、泣き叫んだりは私には向いてない。

 看護師さんには暗い顔、大丈夫ですかと聞くのはやめてください。大丈夫でなければ言います。それよりも、私のベッドに来たら、面白い話、明るい話をしてほしいと伝える。

 厳しい病状を考えてみても、まだ何も始まっていないし、検索してみても、あるところから先は個人差が大きく、考えてみても疲れるだけになってくる。

 だから、次のことをとりあえず決める。

 ★まず、笑う。

 ★免疫力を高める。

 ★長生きする、元気でいると決める。

 

 点滴もとれ、食事も始まり、黄疸もきれいになってきたので、運動をかねてシャワーを毎日浴びる。心身共にダメージが大きかったので、ずいぶん痩せている。